鳥取大学医学部附属病院で新卒看護師研修
久しぶりのブログ更新です。
先日は鳥取大学医学部附属病院へ研修へ行ってきました。
空港では、鬼太郎のパパが迎えてくれていました。
まだまだ新人の私に、往復の飛行機代まで出して下さる
鳥取大学医学部附属病院に感謝です。
鬼太郎ファミリーのバスに乗って研修会場まで行きました。
研修では、私と同じ新卒1年目の病棟看護師40名と三重県と東京から新卒訪問看護師3名と、ケアプロで3年目の元新卒訪問看護師が講師として皆で学びを深めました。
今回の研修で、とても大切だと思ったのは、
新卒の病棟看護師(看護学校を卒業したばかりの看護師)が1年目から
3年間を通して、在宅志向の病棟看護師を育てて行く研修プログラムだそうです。
鳥取大学医学部附属病院の新卒病棟看護師達は、本当に素晴らしく
在宅での患者さんの生活を考える視点に長けていました。
病院は医療者の領域、在宅は患者さんの生活領域です。
生活の場に看護師が偉そうに侵入して来たら、私だったら嫌です。
生活の場では利用者さんが主役。
訪問看護師は常に利用者さんの生活の場を支える視点が大切だと私は思っています。
近年では超高齢社会で少子化です。
2025年問題でも言われているように、病院に入院できずに、
多くの高齢者の死に場所がなくなることが予想されています。
病院に入院できない方々を支える訪問看護ステーションや訪問看護師がまだまだ足りていない状況です。
訪問看護は利用者のお宅に上がらせて頂き、利用者さんのニーズをコミュニケーションから汲み取り、生活を支えることが必須です。
その為人間力が必要になると私は思います。
訪問看護師は人間力を学ぶ場であり、人間力を豊かにする場でもあると私は信じています。
そして、介護と看護は似ているようで、実は全く違います。
新卒で訪問看護師になって改めて気が付きました。
私は10数年介護をしていたので、自分の中の介護と看護の考え方が理解できます。
看護はその方の疾患から予想できる全体像からどんなケアが必要かを見極めています。
細胞レベルからどのように疾患へ至るのか、
データからどのようなリスクが予想されるかを考察しています。
看護師が必死に看護を勉強した結果、看護の思考を手に入れることが出来ることを
身を以て実感しています。
看護師は、看護師になって終わりではなく、看護師になってからが勝負だと気が付きました。
知識だけでなく、目の前の利用者さんを受け入れて理解することの大事さや、
思い込みや偏った視点では、正しい利用者理解に欠けてしまう。
思い込みや偏った視点を外し、常に謙虚な姿勢で学び続けて行けば、いつか利用者さんのお役に立てる訪問看護師になれる筈だと信じています。
社会問題を意識しながらスキルを磨く
今日は訪問看護ステーションくれよんの仕事初めでした。
年末年始に沢山食べたり飲んだりしていたので、恥ずかしながら、いつもにも増して身体が重く感じました。(私以外のくれよんの上司の皆様はとてもスリムです)
ですが、ステーションの扉を開けた瞬間から仕事スイッチが入り、心身ともに発動しました。
今日は午前中に3件のお宅に同行訪問させて頂きましたが、1件、2件と同行させて頂きながら、心身ともに喜びを感じている自分に気が付きました。
3件目が終わり、上司と車で移動している最中に、私は我慢しきれずに上司に言ってしまいました。
「とても楽しかったです。勉強になりました!」
上司は「それは良かった!」と笑顔で返して下さりました。
年末年始で鈍ってしまった私の心身が水を得た魚の様に喜んでいるのを感じました。
私もいつか、移動中におにぎりを食べながら次の訪問に向かう位にバリバリ仕事が出来るようになりたいと思いました。
つくづく私は訪問看護という仕事が純粋に好きで、訪問看護に関わる些細なことで喜びを感じられることが分かりました。
現在看護学生の皆さんも、訪問看護に興味や関心がありましたら、是非新卒訪問看護の道を選んで頂けたらと思っています。
難しいことや分からないことも沢山ありますが、利用者さんやご家族との丁寧な関わりやコミュニケーションの楽しさや子ども達の成長発達をまるで家族のように感じることが出来ます。
是非、いろいろな訪問看護ステーション へ見学や体験に行ってみることをお勧めします。
これからの2025年問題に対応する為に、沢山の新卒訪問看護師が今のうちから訪問看護を基礎から学びスキルを上げることで、看取り難民を在宅で支えることが出来ると思います。
怖がらずに、明るい未来を信じて、新卒訪問看護師が活躍出来る在宅の世界を切り拓いて行きませんか?
高い意識と志しを持った新卒訪問の師が、どんどん増えて行く日が必ず来ると信じています。
新卒訪問看護師の種を蒔く
先日、仕事終わりに小児総合医療センターへ向かいました。今年の12月で11周年を迎える私の勤務先である(株)フローレンスの社長である内藤が小児在宅看護について講演会を行いました。
内藤は、くれよんを仲間と立ち上げる前から小児在宅看護を行っていました。また、現所長である吉澤も都立神経病院の地域療養支援室から西部訪問看護事業部で小児在宅看護を携わっています。社長とくれよんを一緒に立ち上げたメンバーも小児科や西部訪問看護事業部で小児を沢山経験されているメンバーがくれよんを支えて下さっています。
そんな小児に特化し、20年以上訪問看護を続けてこられた社長の講演には大勢の方がいらしていました。病棟ナース、医師、訪問看護ステーションナース、特別支援学校の教員、留守番看護事業をされているナース、西部訪問看護事業部ナース等、100名を超える方々が聴きに来られていました。
ファシリテーターの富田医師が、「くれよんには人工呼吸器を使用されている利用者さんが27名もいることに驚きました!」と驚いていました。私も驚きました。
そして、社長が10年も看護学校で在宅看護を教えていたことに驚きました。
社長が、講義の中で新卒看護師の私についてお話ししてくれました。
「私が10年間看護学校で在宅看護を教えているのは、スタッフを募集する為なのだけど、10年間誰一人としてスタッフになる学生はいませんでした。だけど、今年やっと新卒訪問看護師が入職しました。実際に決して若くはないですけどね。←(若くないはいらない!)」
「大切に蒔いて来た種にやっと芽が出たので、大切に育てて行こうと思う」
「看護学校では、教員らが口を揃えて新卒で訪問看護師は無理!と学生を脅します。だから私はくれよんに実習に来た先生に、学生にそんなことを言わないで下さいと話しています」
「大切なのは、訪問看護をやりたいっていう気持ちなんです」
そんな社長の言葉はきっと、訪問看護師になりたい看護学生の励みになると思いました。
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入職当初から私の新人教育を行ってくれている所長は、一生懸命、新卒訪問看護師の私の成長を見守って下さっています。私と所長の振り返りノートは3冊目になりました。
そして、スタッフの方々も嫌な顔ひとつせずに丁寧に私の質問に答え、ケアする背中を見せて下さっています。最近ではケアする私の背中を見守って下さっています。
私は本当に新卒で訪問看護師が出来るかを、誰が何と言おうと、自分で感じたいと思っていました。
くれよんは、そんな私を快く受け入れてくれています。
私は小・中・高の3人の子育てをしながらの新卒訪問看護師ですが、この子育ての経験が現在の小児在宅看護に活きていると信じていますし、実感しています。
自分を信じて、社長や所長やスタッフの方々を信じて、利用者さんやご家族の方々に喜ばれる訪問看護師になりたいと思っています。
これから、全国で沢山の新卒訪問看護師等が芽吹いて行くのを自分のことのように楽しみにしています。
プチハッピーの根拠
訪問看護ステーションくれよん でのプチハッピーとその根拠をご紹介します。
①訪問看護ステーションくれよん には、週に数回農家の新鮮野菜を沢山持って来て下さり、どれでもひとつ100円で売って下さります。
(この写真は、既に沢山売れてしまった後の写真です)
小平の新鮮野菜を格安で買えるなんて、ハッピー!
【ハッピーの根拠】
スーパーで産地を気にしながら高い野菜を買うよりも、地元の採れたて新鮮野菜を100円で買えるから。事務所の中でまるで観葉植物の様に目に入る新鮮野菜に癒されるから。
②事務さんが朝淹れて下さるコーヒーが美味しくてハッピー!
【ハッピーの根拠】
訪問看護ステーション実習を数ヵ所行かせて頂きましたが、朝自由に淹れたてコーヒーを飲めるステーションは皆無ではないかと思う。そして大切なのは、新卒訪問看護師の私がコーヒーを自由に飲める環境が素晴らしい!
③看護師・セラピスト(PT・OT)が経験豊富でベテランで優しくてハッピー!
【ハッピーの根拠】
看護学生の病院実習では、必ず震え上がる程怖い看護師さんがいました。看護師さん=怖いというイメージを払拭出来るほど、私が置かれている環境は温和で平和です。何故なら、看護経験だけでなく人間的にも成熟されている方が多いからだと思う。
重症心身障害児在宅療育支援センターの事業で東京都の行政サービスになります。
東京都が実施する在宅重症心身障害児(者)訪問事業は、ご家族が自信を持って在宅での看護・療育等を実施できるよう看護師が週1回訪問し支援しています。この事業は、東京都の委託を受けて当法人が実施している事業で、医療保険で実施している訪問看護ステーションとは異なり、行政サービス事業(無料)です。
【ハッピーの根拠】
くれよんの上司等は、こちらの西部訪問看護事業部で長年働いている方が大勢いらっしゃいます。また、現場で西部訪問看護の方々とお会いする機会も多く、そのケアを目の当たりに出来て学ぶことが出来ます。
また、長年の関わりがあり現在でも密接に関わらせて頂いている為、学びが多いです。このようなチャンスは不可能に近いと思います。だからハッピーなのです。
西部訪看さんは、重症小児に特化されています。そのような方々のケアを目の当たりに出来る機会に恵まれている私はラッキーだと思います。有難いです。
新卒訪問看護師の私が、プチハッピーをご紹介するのには理由があります。
どんな仕事でも、好きになろうとすれば好きになれるし、嫌いになれるのも簡単です。
だったら、今自分が置かれている環境の中で、些細なプチハッピーを見つけて感謝する方が幸せだと思うからです。
何も出来ない私だけども、「何か出来ることはあるか」「役に立てることはないか」と考察する作業は新卒の私にとって問うことは大切だと思っています。
3年後、5年後の自分に期待しながら、今出来ることは何かを探して行きたいです。
PS:今日は看護大学の方が一日体験に来て下さりました。この新卒ブログを見て来たと仰って下さり嬉しかったです。お会い出来て嬉しかったです。ありがとうございました!
訪問看護ステーション くれよんでゆっくりと一人前に
私が勤務している訪問看護ステーション くれよんは開設して12月で11周年を迎えます。
看護師は常勤・非常勤を合わせて16名。PT・OT合わせて4名、事務2名です。
他のステーションと比べると珍しいのが、医療保険のご利用者がおよそ6割、介護保険ご利用者が4割という割合です。
そして、0~18歳までの小児が50名と多く、くれよんの特化しているところだと思います。
「小児に特化しているのに、どうして大々的に売り込まないのですか?」
私はある日、上司に質問したことがあります。
「ずっと当たり前のようにやってきたから、売り込まなくても口コミで伝わるものなのよ」
ステーションを大きく見せなくても、淡々粛々と11周年を迎えようとしている「くれよん」
また呼吸器を使用されているご利用者が20名以上いらっしゃることから、ステーションでの人工呼吸器の講習会だけでなく、様々な呼吸器や難病の研修会にスタッフが熱心に学んでいます。
私は新卒訪問看護師ですが、私以外の看護師は常勤では看護師経験が15~20年以上で訪問看護の経験も10~20年以上というエキスパートナースばかりです。
小児や神経病院で勤務していたり、西部訪問看護事業部などで沢山経験されている看護師がいつも居て下さるので、私は全くの新人ですが、ガッチリと支えて頂いています。
昨日は、築地にある聖路加国際大学で開催された在宅看護学会学術集会にスタッフ6名で参加して来ました。
臨床をこなしながら、アカデミックな分野でも学び続ける発表者の方々を見て刺激を受けました。
そして何より、私は訪問看護が大好きだということを再認識しました。
お昼はやっぱり築地だけに…。
あまりの本場の味に、写真を撮るのを忘れました。
「やっぱり回転ずしとは違いますね」と笑顔で上司等に話すと、
「当たり前でしょう!」と突っ込まれました。
終わるころには、寒い冬空でした。
ライトアップした十字架が神秘的でした。
まるで夢を見ているかのようなキラキラした一日でした。
訪問看護ステーションくれよん の方々と出会って早7ヶ月が過ぎました。
訪問看護ステーションくれよん や大切なご利用者、そして近隣地域の方々にお役に立てる看護師になれるように、「三方よし」の精神と新人看護師としても知識や技術を学び続けてゆっくりと一人前になりたいです。
新卒訪問看護師の研修状況
学生時代、私と同様に新卒で訪問看護師になりたいという方が数名いました。
ですが、結局病院へ就職されていました。
訪問看護師になりたい!と思う看護学生は意外と沢山いるのですが、在宅よりも病院の方が研修制度が充実していると、皆が口を揃えて言っていました。
果たして、それは本当なのでしょうか。
実際に私は訪問看護ステーション くれよんに就職して、自分が想像していたよりも多くの研修を受けています。
そして、多くのベテラン訪問看護師に同行訪問しながら、毎日様々なことを感じ、学ばさせて頂いています。
そして、半年が経った現在でも多くの研修の真っ最中です。
新卒で訪問看護師を検討している方々の参考までに、私がどんな研修を受講して来たのかを記載しておきたいと思います。
2015年
4/11(土)日本訪問看護財団 ケアにつなぐフィジカルアセスメント~はじめての訪問看護で困らないために~
5/11(月)~5/13(水)東京都ナースプラザ 新人看護職員3日間研修
5/14(木)小児総合医療センター 小児在宅医療サポートチーム勉強会「多摩における小児在宅医療の進め方~当院における在宅医療移行支援の実際から~」
5/19(火)東京都ナースプラザ 人工呼吸器研修
5/25(月)東京都ナースプラザ 酸素療法研修
6/6(土)小児総合医療センター 小児在宅医療サポートチーム勉強会「重症てんかんと緊張」
6/15(月)~6/17(水)重症心身障害児在宅療育事業 訪問看護師等 育成研修(基礎編・在宅移行編)
7/2(木)在宅難病患者訪問看護師養成研修(基礎コース)
7/9(木)在宅難病患者訪問看護師養成研修(実技)都立神経病院にて呼吸ケア実技
7/10(金)心身障害児通所施設 緑成会整育園トマト見学
7/11(土)重症心身障害児在宅療育事業 訪問看護師等 育成研修(応用編)
7/15(水)~11/19(木)訪問看護師育成基本コース31日間研修 ※現在も受講中
7/24(金)心身障害児通所施設 多摩療育園見学
9/12(土)聖路加国際大学とケアプロによるきらきらナース研究会に上司と参加
9/26(土)東大和療育センター 呼吸リハビリ実技研修
9/29(火)重症障害児通所施設 ひまわり見学
10/1(木)~10/2(金)在宅難病患者訪問看護師養成研修(応用コース)
10/9(金)在宅難病患者訪問看護師養成研修(応用コース)グループセッション
10/16(金)小児総合医療センター 第5回「子どもの看護体験研修」プログラム
来週10/21(水)~10/22(木)は他の訪問看護ステーション実習になります。
以上が直近の研修になります。
私は、日々の単独訪問や先輩看護師に付いて学ぶ同行訪問と研修で、頭がいっぱいいっぱいになることもあります。
ですが、きっと後になって振り返ると、かけがえのない貴重な学びなのだと信じて日々精進している次第でございます。
全国の新卒訪問看護師の皆さん、共に学び頑張りましょう!(エイ、エイオー!)
動機・きっかけ・出会いが人生を変える
「どうして、病院ではなく訪問看護を選んだのですか?」
私は行く先々でこう質問されます。
そんな時、私はこんな話をします。
…私は人生を変える出会いがありました。
私はある時期に、障害者団体の自立生活センターで長く健常者スタッフとして働いていました。
上司は障害当事者でした。上司等は難病や重度心身障害を抱えていました。
私は介護士として、障害者に寄り添い障害者の方々のリアルな日常に触れることで「自立を支えることの意味」を自分なりに問うていました。
そんな時に、障害者スタッフの上司から健常者スタッフにこの本を読むようにと配布された著書がありました。
この著書を読んでから、介護という仕事をしている時、人生の主役は自分ではなく、目の前の方であり、私は黒子なんだと思うようになりました。
目の前の方の日常を支え自立を促すには、時には待ち見守ることが大事なんだと気が付きました。
手を出すのは簡単、口を出すのも簡単、目の前の当事者の方の本音を引き出し、それを実現するためには私は何が出来るか、何をしたらいいのかを考えるようになりました。
私は看護学生時代に病院実習を1,035時間行って来ました。
その中で、患者さんや利用者さんの人生を語って頂く(ナラティブ)ことや本音を表現して貰うには丁寧な関わりが必要だと感じていました。
13年間の介護の中で培った丁寧な関わり方を継続し、看護師としてリアルな利用者の日常を支えるためには、病院ではなく在宅の方がより利用者の本音に近づけるのではないかと思い新卒訪問看護師の道を決意しました。
また、小学校・中学校・高校の子どもを育てながら、新人として看護を学ぶには、夜勤がある生活よりも子ども達としっかりと向き合える勤務体制で働ける訪問看護を選びました。ガッツリと年収を高くしたいという思いもありましたが、まずは目の前の多感な時期の子ども達をしっかりと支えようと決意しました。
年収はここで、時間を掛けて自分の努力と行動で成果を出したいと思っています。
私の人生を変えてくれた恩師であり障害当事者である上司は、私が看護学生2年生の時にこの世を去られました。
恩師である上司が亡くなる前に、病院実習のあとに数日ご自宅に通わせて頂きました。
学校で貰った終末期の資料や教科書を持って、何か役に立てないかと会いにいきましたが、恩師は既に意識が朦朧としていて、手を握り感謝を伝えることしか出来ませんでした。
「私は看護学生なのに、何も役に立てないじゃないか!」と泣きながら帰宅した日々を今でも鮮明に思いだします。
私が看護師になった姿を見せることが出来ませんでしたが、恩師にいつも見られていると思って背筋を伸ばして精進して行きたいと思っています。
こんな、動機・きっかけ・出会いが、新卒訪問看護師としていつも私を後押ししてくれています。